長谷川一也の近況

                                         
  

 サービス業に従事している私、仕事柄10月は忙しくて釣りに行けない!なんて言っていましたが
 先月の
23日やっぱり釣りに行ってしまいました。仕事でクタクタ、どーせ行ったってフグだらけでし
 ょ
!そんな嫌がっている私(えっ?)を無理矢理磯に連れて行ったのは同じ職場に勤める釣友S氏。
 場所は青森県今別町の大泊地磯。

例年秋磯には賑わいを見せる同所も、ここ近年はフグの棲家と化しているためあまり気が乗ら
 なかったのだが、気分転換にと
S氏に同行した。夜明けと同時に磯に立ち準備を終え期待と不安
 で振り込んだ
1投目から針がない。「あ~ぁっ、やっぱり」その後コマセを撒くほどにフグの活性は
 高まり水面下はフグで真っ黒。とてもクロダイの気配を微塵も感じさせない状況だ。徐々に戦意が
 失われる中何やら後ろが騒がしい。

 見るとS氏が空を見上げながら何処かへ歩いて行く。上空にはカラスが1匹。そうバッカン横に
 置いてあったネリックスサナギをカラスに取られたらしいのだ。「あちゃ
~、だめだこりゃ!」水中だけ
 ではなく空にもエサ取りがいた。しばし笑わせてもらった後気を取り直して集中していると針だけ
 は持つようになったが、何を付けてもエサが持たない。どうしたら良いものか
?

 彼はというと早い昼飯、いや朝飯を食っていた。どうやら先程の1件がやる気に大きく影響して
 いるらしい。そんな彼をよそ目に手返しを早めた。釣り始めから
3時間、やっと練りエサが残り始
 めた。水中では何かが起こりつつあるらしい。釣りを再開した
S氏の方はというとオキアミが残っ
 ている様子。その背中から自分が先に掛けてやる
!というオーラが見てわかる。そうはさせてな
 るものか
!・・・ こうなると俄然釣りは楽しくなる。 

フグよあっち行け! そんな気持ちを込めて彼の足元にコマセを集中的に入れフグを誘導した。
 それを見た彼も同じように自分の足下にコマセを入れ始めた。「しめしめ、今にフグだらけになる
 ぞー」自分の中の「悪釣りの神」がささやいた。私の方は自分の正面にある沈み根周辺に
1
 コマセを入れ、やや時間をおいて仕掛けをこれに合わせ追いコマセを入れた。その間にも彼は
 先程と同じように足下にコマセを打ち続けている。着水音に反応したフグはドンドン彼の方へ集
 まって行く。

ハリスが立ち下ウキが沈んでしばらくすると、軽い前アタリの後上ウキ「キャッチー」が海中に
 吸い込まれた。「いったねー
!」充分喰いこませてから軽くアワセると明らかにクロダイとわかる
 感触。「来たょー」竿をためながら彼に一言。取って見れば
36cmの元気印の本命。今日のヒッ
 トパターンが判った。結果終わってみれば私一人で
38cm~36cm6枚の釣果。これを見て「えぇ
 ~、そっちに来たの~」と残念そう。それもそのはず、彼の周辺はフグだらけなのだから。時折残っ
 てくるオキアミを見ては「どこだ、何処だ」のツブヤキが波の音に混ざって聞こえていた。

つづく

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