苦しいときの能登頼み!
 「イヌさん、急なんだけど23.24日空いてる?」と富山の犬島さんに連絡を入れる。
 「大丈夫ですよ、オレは一日しか無理だけど、仲間に声を掛けますから・・・取材ですか?」
 「うん、ウキ釣り秘伝の取材なんだけど、庄内や笹川流れは厳しいんでね」
 「出来れば外海がいいんでしょう?・・・どこか予約を入れておきます」
と言うことで22日の深夜、一人で能登に向かう。
3時に氷見の「矢田釣具店」に到着するとすでに犬島さんやチームウキ工房富山支部長の田島さんや西野さんが店で待っていてくれた。
 「若い連中が来ますから、もう少し待ってください」と言うことで他の仲間の到着を待ち、10名に膨れ上がった仲間と4時に店を出る。
 それにしても急な話なのに大勢の仲間が付き合ってくれるとはありがたい、みんな予定があっただろうに申し分けない気持ちでいっぱいだ。
 「風が北東なんですよ、北東だと能登半島に沿って吹くんで外海は無理ですね、能登島の周りでいいですか?・・・」
 「どこでもいいよ、どのくらいの予報?」
 「7〜8mですから、結構吹きますね」
 「じぁー『立ヶ島』」も無理だね、半の浦の石積みにしようか?」
 「そうですね、半の浦なら風裏になりますから」と、能登大橋を渡り「半の浦漁港」に向かう。
 本来なら渡船は対岸の長浦から出るのだが、距離があるため、半の浦漁港まで船を回すように手配してくれたようで、5時に港に着くとすでに「島田渡船」は我々の到着を待っていた。

半の浦は30cm〜35cmがレギュラーサイズ

 「しばらくです、元気そうですね」
 「しばらくだなぁー、3年ぶりか?」
 「なに言ってんの、去年来なかっただけだよ。それにしてもこんなに早く行くの?、まだ暗いよ」
 「今日はカセ釣りのお客が50人もいるんだ、早くしてくれ」と言うことで、早速、渡船に乗り込む。
しかし、この石積み堤防は、ほんの50mほどの距離で、近いところは20mも離れていない。
 私がここで竿を出すのは今回で4度目になり、大体の様子は分かっているが、これまで、30cm〜37、38cm前後の中、小型が多かった。
 だが、犬島さんが前回来たときには、沖目狙いで45cm前後の良型が上がったと言うことで、その良型が上がった「ヘの字」付近に釣り座を取って開始する。
 
3投目からヒット・・・そして入れ食いだ!

 かなりの強風が背中から吹き付けているが、釣りに支障はない。振り込んだ仕掛けはゆっくり右に流れるが、おそらく上潮が滑っているのだろう。
 デルタ・1(M)の0浮力のウキにオキアミを付けてスタートすると3投目でヒット!・・・型は30cm弱で、ここのレギュラーサイズだ。水深は竿1本前後だが、ハリスが立ち、30cmほど遊動した落ち込みで食ってきた。
 少し遅れてスタートした隣の西野さんや、その隣の犬島さんの竿も曲がるが、どれも同サイズだ。このころになるあっちこっちに散って竿を出す仲間の竿が曲がり、まさに「入れ食い」状態で、サイズは今イチだが、最近では滅多にない光景だ。
 
重い仕掛けは食いが悪い!

 そこで、私はノーシンカーの仕掛けから5Bまで、序々に重い仕掛けにチェンジして、それぞれの仕掛けの食いなどをテストして見た。その結果、やはり仕掛けが重くなるのに従いアタリの数は減り、そしてアタってもエサを離してしまうことが多くなる。また、ハリスに打つガン玉の位置でも食いは全然違い、ハリから離した方が食い込みが良く、ハリに近いとエサも取られない。
 これはクロダイが浮いているために、ハリスにガン玉を打つとガン玉から沈むので落ち込みで食えないからと想像できる。
 クロダイが浮いていなければ、また違った結果が出たろう。
また、ハリの色でも食いに違いが出る。私は茶系のグレハリを多用するが、今回、黒色のチヌバリ
と交互に使用して見た。その結果は黒のハリはアタリが少なく、明らかに茶系のハリの方が良く釣れた。潮が澄んでいればハリの色で食いが悪くなることは経験していたが、今回は比較的濁りもあったのでハリの色で釣果に差が出たのは以外だった。


                            
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残暑お見舞い申し上げます。
もうすぐ10月と言うのになんだ、この暑さは!・・・
この、異常気象のせいか?・・・庄内や新潟の笹川流れに出かけても
マダイの中、小型は釣れるがクロダイはサッパリ釣れない。
こんなときに雑誌のグラビアの取材依頼だ。
締め切りまで日にちは僅かで、絶対に外せない。天気予報とにらめっこするが天気はいいものの、波が微妙だ・・・そして釣果も微妙だ、どうしょう?
よし、こうなったら「苦しいときの能登頼み」だ。能登ならどんな風でも出来るし、必ず釣れる。
と言うことで富山の仲間に付き合ってもらい能登に向かった。