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 飛島に通い始めて10数年になる。初めて飛島に渡ったとき、50cmオーバーのメジナの魚拓が宿の天井を埋め尽くしていた。しかし、当初のターゲットはクロダイでメジナにはまったく興味がなかった。このころ、大型のマダイの魚拓も数枚あったが、すべて”ブッ込み”で釣れたもので、ウキフカセの対象魚ではなかった。しかし、現在、飛島を訪れる釣り人のターゲットはほとんどがマダイだ。タックル、釣法の進歩でメータークラスの大マダイも夢ではなくなったからた。
この夢のメーターオーバーをターゲットに恒例のチームウキ工房・飛島遠征(6月23日〜25日)に同行した。

 6月22日、出発の準備をしていると、急に”寒気”がして震えが止まらない。風邪か?・・・風邪薬を飲むが震えは止まらない。
 「どうしょう!?」]無理をして出かけて仲間に迷惑を掛けてはいけない。
出発(12時)直前まで様子を見るが震えは収まらないため、仲間に連絡を入れ、今回の飛島は断念する。
 翌日、目覚めると頭はちょっと重いが、震えはなくなり、夕方にはだいぶ良くなった。
 「どう、少しは良くなった?」
 「うん、だいぶいい」
 「それなら今から行ったら、皆んなに悪いよ」とカミさんが言う。
 こんなとき、北村さんから携帯が鳴る
 「マダイ爆釣だよ、鍋ちゃんが81cm、村西さんが76cm、その他50cmクラスが2尾上がったよ。バラシが10発!・・・今から来れば」だって!・・・
 もちろん深夜には関越、日本海東北道を1人でひた走り、酒田港で、この日から参加の山形の渡辺、菊地さんと合流して大マダイが待つ飛島に渡り、準備を済ませて渡船の「司丸」に乗り込み、この日に帰る庄内支部のメンバーと入れ替わり、昨日マダイが出た、「舘岩」でスタートする。

 エサ取りが居ないと言う情報だったが、1投目からハリが無い!・・・マダイの大型に備えてオナガ(メジナ)用の10号のハリでも盗られてしまう。そのハリ盗りの正体は大型のフグだが、その他にもスズメダイやメジナが群れ、なんとしてもタナまでエサが入らない。
 前日は烏帽子群礁には行けないほど波が高く、良いサラシが出ていたと言うが、この日はサラシはもちろん、潮も流れない。しかし、ちょっと潮が動いたときにウキが入った。
 頭の中はマダイしかないため、オープンベールで道糸を出すが、すぐに止まってしまった。
 「クロダイか?」・・・道糸3号、ハリス2.5号のマダイ仕掛けでは充分過ぎるサイズの45cmのクロダイが足元でヒラを打った。
 そしてしばらくしてまたウキが入った・・・しかし、これもクロダイで、普段ならうれしい50cmオーバーだが、ターゲットの大マダイとは、えらい違いだ。やっぱり「柳の下のドジョウ」ならぬマダイは無理だった。
 結局、他の仲間もこの日はクロダイやメジナの良型は上がったが、マダイの釣果はゼロ!・・・どこの釣り場も大型のフグが居付いてエサが入らなかったのが原因だ。

 最終日、この日は11時の納竿予定だ。前日同様、ナギで烏帽子群礁での釣りは可能だが、状況から判断して私は飛島本島の「オビシャク」を選んだ。と言ってもなんの根拠もない。
 オビシャクはマダイの実績は無い釣り場で船長も
 「マダイなら烏帽子だ。昨日、オビシャクはフグでダメだった。烏帽子の方がいい」と言うが、歳で体力、気力、釣りの技術も乏しいが、感だけは今だに冴えている私を信じて同行すると言う富山勢と3名でオビシャクを選んだのだが、釣り場に近付くといい潮が流れている。そのため、クロダイ狙いで「舟島」を予定していた関東の2名にもオビシャクを勧めると素直?・・・に私の意見を聴いてオビシャクに降り、5名で竿を出すことになったが、これが鈴木さんに幸運をもたらすことになったのだ。
 開始早々はゆっくり流れていた潮が次第に速くなり、伊豆の離島のような激流となった。速い潮に馴れない富山の2人に島の潮裏に移動し、この日のベストの釣り座が空いた。
 鈴木さんと並んで、この本流、潮のヨレを狙うが大型のフグ、そして40cmもある大型のウマズラが喰ってくる。
 「潮を狙ってもダメだ」・・・鈴木さんがコマセの効いていない右の根ギワに仕掛けを投入した直後・・・
 「なんか来ました、クロダイかな」・・・マダイなら沖に走ることが多いが竿をタメても走らない。竿の曲がりから大型なことは解るがクロダイだろうと写真を撮っていると足元で白っぽい魚体が見えた。
 「マダイだ、80cmはあるぞ」
 「えっ、マダイ?・・・」こうしてタモに収まったのは今回の釣行最大の83.5cmの立派なサイズで、もちろん鈴木さんは自己記録更新!・・・それもこれも私のおかげ?・・・私を信じてクロダイ狙いからマダイ狙いに切り替えたからだ。
(チクショー)
 
クロダイの数は上がったが、最大で53cmで、夢の60cm超えは達成できなかった。
今年は本島の地磯周りでクチブトはもちろん、オナガメジナの良型(40〜48cm)が上がった。
チームウキ工房・飛島遠征報告
感激で手足も震えた・・・

大マダイ続出の山形・飛島釣行!
絶好調・鈴木勝也!・・・最終日に本島の「オビシャク」で83.5cmの大きな勲章を手にした。
初日、飛島本島の地磯で富山の鍋城 茂さんが取り込んだのは81cmの大マダイで、もちろん自己新記録
これも初日の釣果・・・富山の村西さんも鍋城さんと同じ地磯の舘岩で76cmをゲット!・・・波が高く烏帽子群礁に行けなかったのが幸いした。

               岡田 進の釣り紀行 29回